20230616
コラムの続き
●台木(接ぎ木苗)の利用
台木の利用目的は、(1)土壌病害に対する抵抗性、(2)高温(低温)抵抗性、(3)樹勢の維持、(4)品質向上、などがあります。
この中で(1)の土壌病害抵抗性は最もよく利用され、様々な病害抵抗性台木の品種があります。青枯れ病抵抗性では「がんばる根」「シャットアウト」「キングバリア」などの台木品種があります。抵抗性台木の効果は高く、青枯れ病が頻発する畑でも発病が抑えられます。
しかし問題もあります。抵抗性台木は土壌病菌の密度が一定以下では発病しませんが、それ以上になると発病してしまいます。抵抗性台木を使っているからといってナス科の野菜を連作すると、土壌病菌の密度が年々上昇して、接ぎ木苗を植えても生育が悪くなってきます。従って、抵抗性台木でも発病する土壌菌密度では徹底した土壌消毒を行うほか手段がなくなります。
抵抗性台木の利用に頼ることなく3年以上の輪作を徹底して、土壌病害の発生を防止することが一番大切であると考えます。
(続く)

