20230503(2023年5月3日)
コラムの続き
現役時代のお話しです。
若者の日本酒離れが言われていますが、私の研究室の学生は日本酒大好きでした。当初はそうでもなかったのですが、ある時に学生が飲み放題の宴会コースを予約しました。しかし、あまりにも日本酒が美味しくないので「自分の分は追加で払うから銘柄の地酒を」と言って注文して飲み始めました。周りの学生が「先生、少し飲ませてください」と。「美味しい!」と言って次々と他の学生も飲み始めて私の分が足りなくなるほどでした。会費+追加をたんまりと支払いました。
それ以降、研究室の学生は日本酒に目覚めて大好きになりました。若者の日本酒離れは美味しい日本酒を飲んだことがないことから始まっています。
ひょっとすると野菜も同じかもしれません。美味しい野菜を食べると「野菜嫌い」がなくなる。有機堆肥栽培の福井農園の野菜が子供達(大人も?)の野菜嫌い解消に役立てたらいいなあ。
(続く)
20230504
おはようございます。福井農園です。
昨日は圃場整備と孫の世話で収穫に至りませんでしたので、出荷をお休みいたします。申し訳ありません。
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★福井農園が求めるもの
(5)非効率的な野菜生産(効率的な農業に対するアンチテーゼ)
1960年以降の高度経済成長期にトラクターや田植機、コンバインが急速に普及して、農業は生産の効率化を求め続けてきました。大面積で収益性の高い野菜を生産して全国の青果市場に出荷する大産地が生まれ、施設園芸が発展して夏野菜のトマトやキュウリ、ナスも一年中食べられるようになりました。
その一方で、中山間地の段々畑に代表される狭い田畑はトラクターやコンバインが使えないとの理由で放棄され、耕作放棄地となってしまいました。また、昔から作られていた地域に根ざした伝統野菜と言われる特徴的な野菜も生産効率が悪いとの理由で大手種苗会社のF1品種に置き換わって淘汰されました。
当然、農業従事者は急速に減少して、日本の将来の食糧供給体制に不安を感じています。
(続く)
20230505
コラムの続き
農業も産業ですので、近隣の農家は収益性を求めて「枝豆→大根→ほうれん草」のように大面積で少品目の周年生産を行っています。まさに大面積での生産効率をいかに高めるか、収穫・選別作業の機械化、自動化を模索しています。農業で生計を立てようとすれば、当然目指す方向性です。
福井農園では、敢えて効率を求める野菜生産を目指さないことにしています。福井農園の特徴は、大面積で野菜を栽培しないことです。農園の面積は1反(1000平米:300坪)で52本の栽培畝がありますが、すべての畝で異なる野菜が栽培されていて、昨年に栽培した野菜の種類は120種類を超えました。
生産効率を求めて大面積で少品目の周年生産を行うと、例えば3月から7月まで毎日枝豆の種まき作業が続き、収穫が始まると5月から10月まで毎日枝豆のもぎ取りと選別作業が続きます。
毎日、一日中同じ作業を続けるのは老人の身体には酷な作業です。
(続く)
20230506
コラムの続き
福井農園では畝毎に野菜の種類が違うので、例えばニンジンの種蒔きをしても最大1時間、収穫作業も30分以上同じ姿勢で作業することはありません。昨日は種まき、今日は苗の定植、明日は草抜き、明後日は耕運機で畝たて。毎日毎日が違う作業で身体の負担が少なく、気持ちも切り替えられます。
大面積での生産効率を求めないので、トラクターなどの高額な大型機械(300~500万円)も不要で、福井農園で最も高価な機械は12万円の耕運機だけです。
福井農園では、敢えて効率を求める野菜生産を目指さないことにしています。年金生活者ですので農業で生計を立てる必要はなく、年金に加えて経済的・精神的余裕(飲み代?)を求める農業収入を目標にしています。
退職すると、特に男性は身の置き所がなくなります。また、年金は基本的な生活費であることからゆとりをもった経済資金が不足します。福井農園の目標は「退職後の身の置き所の確保」と「心のゆとりを生む経済的収入の確保」で、年金+毎月10万円の収入の確保です。
定年退職して、身の置き所と精神的余裕が持てる収入を確保できない男性はたくさんいると思います。
(続く)
20230507
本日(5/7)の出荷情報をお知らせいたします。
●ケール「ジューシーグリーン」⑦
ケールのイメージと全く違って苦みもなく、豚肉と炒めたり、サラダとしても美味です。一度お試しください。はまります!
●中葉春菊⑪
そろそろ収穫終盤をむかえました。次は「香取」というあっさり春菊に切り替わります。
●サラダ春菊「菊之助」⑩
花芽がたくさん着き始めたので、そろそろ収穫最終です。次は秋の10月までお待ちいただくことになります。今のうちにお楽しみください。
●わさび菜⑦
今週中に収穫終了となりますが、好評につき、これから再度種蒔きして7月収穫を目指します。
●サヤエンドウ「仏国大さや」⑤
とにかく大きく食べ応えがあります。
●スナップエンドウ「幸姫」③
●グリーンピース「久留米豊」⑤
●ソラマメ「一寸」②
●ソラマメ「ポポロ」②
●結球レタス「サリナス88」③
●コールラビ「グランドデューク」④
●ミズナ「京美人」⑪
●サニーレタス「レッドファイヤー」⑨
●リーフレタス「グリーンウェーブ」⑨
●ミニハクサイ「お黄にいり」③
●ホウレンソウ「ミラージュ」⑤
20230507
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近い将来の夢のお話です。
中山間地の段々畑は、1枚の畑の面積が小さくてトラクターやコンバインが使えず放棄されました。しかし、福井農園の多品目小面積生産方式を使えば立派な農地です。福井農園には13mの畝が52本ありますが、例えば1枚の段々畑に13mの畝が4本作れたとすると、段々畑が13枚あれば福井農園と同じ生産が可能です。トラクターは不要で、小さな耕運機があれば充分です。
少し山の方に行けば耕作放棄された段々畑は至る所にあります。1人が福井農園方式の農業を始めれば1反(1000平米)の農地が復活します。10人が始めれば1町歩(10000平米)の耕作放棄地が農地として復活します。
農業に関心を持つ定年退職者はたくさんいるのではないでしょうか。
例えば、名古屋市のマンションやアパートに住む定年退職者に声をかけて「新規農業者」を募るのも良いと思います。住む場所も空き家となった古民家があります。新規農業者は年金+年間120万円の収入が確保でき、同じような志を持った人達でのコミュニティーも出来て、豊かな人間関係を築きながら定年後の豊かな生活を過ごすことができると思います。

